ボーダーツーリズム／国境観光「極東ステージ」
ボーダーツーリズム（国境観光）は、国境の町を訪ね、お隣の国の様子を眺めたり、
ときには国境を渡って、両国の人々の暮らしや文化に触れる体験型の旅です。
国境エリアに暮らす人々の生活や文化には、日本では実感できない開放感と緊張があり、
多民族が共存することで生まれる文化的な豊穣さがあります。
ナビゲーターを務めるのは、忘却された地、極東アジア・ユーラシアの国々を
長年にわたり訪ね歩いてきたジャーナリストの中村正人です。
BT Journal
国境に関する話題
超マニア向けボーダーツーリズム「中ロ国境（ハバロフスク・撫遠）を渡るには」
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7月中旬、ウラジオストク在住の日本人から、とても珍しいボーダーツーリズムの報告がありました。極東ロシアのハバロフスクからアムール河（黒龍江）を船で渡って中国の撫遠という町に行ったそうです。..
第3回ロシア国際ウラジオストクマラソン参加者募集中！
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今年4月30日より、成田からのフライトが毎日運航になった極東ロシアのウラジオストクで、9月23日に第3回ロシア国際ウラジオストクマラソンが開催されます。..
ハバロフスクから中国に船で渡る「中露国境紀行2017」ツアー募集中
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この夏、中ロ国境を越える面白いツアーがあります。1969年には両国の武力衝突まであったアムール河（黒龍江）とウスリー川の交差するハバロフスクから中国黒龍江省撫遠に船で渡ります。..
Far-East Borders
極東《ボーダーNOW》
262 こちらがノグリキの町中心部
こちらがノグリキの町の中心部で、信号や横断歩道もあり、車もそこそこ走っている。サハリンでは「車より人優先」がとことん徹底していて、人が横断歩道の前に立つと、車のほうからまず間違いなく停車して、人を先に渡してくれる。サハリンの人が「人より車が優先」の中国に行くと、交通事故に遭ってしまいそうで、人事ながら心配してしまう。（撮影／2017年6月）
261 ノグリキの町はずれの光景
町中はきれいに舗装され、信号もあるノグリキだが、町はずれにある郷土博物館の外から眺めた集落の光景は、木造家屋ばかりで、いかにもサハリン最果ての寒村という雰囲気だ。（撮影／2017年6月）
260 サハリン先住民族の切り絵と中国満洲族の剪紙の相似（ノグリキ）
博物館の展示室の脇の廊下に、ニブヒやウィルタの切り絵作家の作品が展示されている。モチーフとなるのはトナカイや祭りなど、彼らの習俗や生活文化に関わるものばかりだが、中国満洲族にも彼らと同様に切り絵（剪紙）の作家がいる。彼らは少数民俗文化の担い手として国家的な保護や支援を受けているが、なぜ切り絵だったのか、その相似が興味深い。（撮影／2017年6月）
259 ノグリキ出身のニブヒ人作家、V・サンギ
ノグリキ近郊の漁村で生まれたウラジミール・ミハイロヴィッチ・サンギはニブヒ人作家で、サハリンの先住民族の民話や伝説を集め、1961年『ニブフの伝説』を出版。モスクワで大評判となり、ソ連公認の作家となった。彼の作品の一部は翻訳されていて、『サハリン・ニヴフ物語』（北海道新聞社2000年刊）として読むことができる。彼の若い頃の写真が、郷土の誇りとして博物館に展示されている。（撮影／2017年6月）
258 サハリンの先住文化を最初に蒐集したレフ・シュテルンベルク
サハリンで最初に先住文化を蒐集したのは、ウクライナ出身の民族学者のレフ・シュテルンベルクだ。彼はマルキストだったため、ロシア帝政時代の1889年から97年までサハリンへ流刑となり、ニヴフの言語や宗教などを研究した。そのとき、蒐集した文物がサハリン郷土博物館の基礎になった。（撮影／2017年6月）
257 トナカイを飼うウィルタの毛皮の衣装
トナカイを飼う遊牧の民、ウィルタは毛皮を使った衣装を身につけていた。冬は動物を狩猟、夏は魚を漁猟する移動生活が基本。同じ先住民族でも、これほど衣装が違うのかと驚いてしまう。（撮影／2017年6月）
256 ニブヒの衣服や装飾品（ノグリキ）
鮮やかなブルーの衣服はニブヒのもので、彼らが身につけていた装飾品などと一緒にガラスのケースに展示されている。ニブヒはアムール河流域からサハリンに住んでいた狩猟民だが、衣服のデザインは清朝を興した女真族と似ていて、民族的なつながりを感じてしまう。（撮影／2017年6月）
255 ノグリキ郷土博物館の館長
ノグリキ郷土博物館の館長は先住民の女性で、館内を親切に案内してくれた。写真は雪道を走るそり。館長は日本の研究者との交流もあるようで、日本語の学術資料も見せていただいた。（撮影／2017年6月）
254 クマのはく製と対面する子供たち（ノグリキ）
ノグリキ郷土博物館には、サハリン北部に生息する動植物のささやかな展示コーナーがある。ここでも子供たちはクマのはく製と対面することになる。キツネや野鳥類、サケ、マスといった魚類の展示もあり、子供たちにとっては楽しい場所に違いない。（撮影／2017年6月）
253 郷土博物館を見学に来た地元の子供たち（ノグリキ）
サハリン州郷土博物館でもそうだったが、ノグリキの郷土博物館にも地元の子供たちが見学に来ていた。先住民の女性が展示の解説をしてくれる。（撮影／2017年6月）
252 ノグリキ郷土博物館
1番バスの終点はノグリキ郷土博物館だった。サハリン北部に住んでいたニブヒやウイルタ（オロック）、エヴェンキなどの先住民族の生活道具や衣服、祭祀に使う道具などが展示されている。ただし、北部にはアイヌは住んでいなかったので、彼らの展示はない。（撮影／2017年6月）
251 ノグリキの路線バスに乗る
朝食を取るため、たまたま腰掛けていたベンチは、路線バスの停留所だった。先住民族らしいおばさんが近づいてきて、なにやら話しかけられたが、しばらくすると黄色いバスが来た。ノグリキ駅と町はずれにある郷土博物館を結ぶ1番バスだった。バスに乗って博物館に行くことにした。（撮影／2017年6月）
250 マガジンで水やパンを購入する（ノグリキ）
マガジンの中に入ると、ドリンク類やパン、チーズ、ハム、野菜、瓶詰め、缶詰、カップラーメン、各種調味料など、さまざまな食料品が置かれていた。これらを見ていると、ロシア人の食生活がうかがえて面白い。試しに水とパン、ハムなどを購入し、店の外のベンチで朝ごはんすることに。（撮影／2017年6月）
249 ノグリキのマガジン（雑貨店）
ノグリキのバス通りであるソヴィエト通りを歩いていると、木造の雑貨店があった。ロシア語でこうした店のことを「マガジン（ магазин ）」という。この町では9時半にはまだカフェも空いていないので、簡単な朝食を買い出すことにした。（撮影／2017年6月）
248 サハリン北部の開拓の歴史（ノグリキ）
教会の向かいの公園の一角に、サハリン北部のロシア人による開拓の歴史を伝える写真パネルが置かれていた。20世紀初頭と思われる人々の暮らしを撮ったものや現在のノグリキの主要な施設（工場や橋、教会など）の写真が紹介される。同じようなパネルを中国内蒙古自治区の中ロ国境の町、室緯でも見たが、辺境の開拓地には似たところがある。（撮影／2017年6月）
247 ロシア正教会の礼拝スペースはにぎやか（ノグリキ）
ロシア正教会の礼拝スペースには、他のキリスト教会とは異なるいくつもの特徴がある。たとえば、天井から吊り下げられる豪華な燭台や、壁や柱の至るところに所狭しと置かれたイコン、さらにミサのとき、司祭が出てくる扉が正面にある。まるで東方の仏教寺院のようなにぎやかさだ。（撮影／2017年6月）
246 ノグリキのロシア正教会
ノグリキ駅からタクシーで町まで約5分。公園に下ろされると、目の前にロシア正教会があった。ロシアではどんな小さな町にも教会がある。ノグリキのロシア正教会は2002年に再建されたものだそうで、とても可憐な姿をしていた。雲ひとつない青空にブルーの屋根がよく映えて美しい。（撮影／2017年6月）
245 ノグリキ駅とオハ行きバス
ノグリキ駅に着くと、曇天が続いたサハリン南部とは違い、真っ青な快晴だった。ノグリキ駅はサハリン鉄道の終点だ。駅前に、サハリン最北部の町オハ行きのバスが停車していた。このバスの運行は1日1本のみ。（撮影／2017年6月）
244 客車内で出会った男の子
客車内は我々以外はほぼロシア人だった。コンパートメントの外に出ると、ひとりの男の子がこちらを見て微笑んでいた。（撮影／2017年6月）
243 客車内にカップラーメン用のお湯の給水器あり
客車内にはカップラーメン用のお湯の給水器があり、乗客のロシア人たちもカップラーメンやインスタントコーヒーを飲むとき、利用していた。ロシアのカップラーメンは、日本にはない独特のスープで新鮮な味わいだが、麺はいまいちか。（撮影／2017年6月）